語らいから 教えられ

 過日、今年もある老健施設を訪問し、「ビハーラ講話」をする縁を頂きました。
講堂に集まられる人のほとんどは、車椅子を使っておいででした。
講話の題は、法話をするようにとの要望でしたので「大悲無倦常照我」という内容で話をしました。(内容は紙面の都合で省略)
講話のあとでの“語らい”で感じたことですが。あるお方は、
「私は足が不自由だけど、腕や腰がまだ動いてくれます。手が動く、声を出して自分の思いを他人に伝えられるのです。自分の上にかけられている大きな恵みに気づかされ感謝しています。ありがたいことです」と、話された後に合掌されました。
もう人のために働くことが出来なくても、謙虚に介護士の世話になり、柔和さを忘れないで、感謝の合掌ができる姿に人間としての尊さを教えられました。
老いても、体は弱くなっても心が健やかであること。そして、他人のことが思いやられる人間になる大切さを、今年も気づかさせていただきました。