記憶の断片

 小学校の木造講堂の東側に木造の保育所がありました。玄関横の炊事場でおばちゃんが作るおやつの香ばしいにおいがしてくると、嬉しくて飛び跳ねたことを思い出します。
鉄筋校舎の小学校に入学しました。木造講堂への渡り廊下の窓から差し込む日差しの中には、日向のいいにおいがしたものです、その廊下を上がっていくと、木造窓の薄暗い講堂に入りました。隅に跳び箱が置いてあり、とてつもなく大きくて、今の自分でいうとジャングルジムのように感じられました。
鉄筋体育館が完成したときは、校長先生が、「武生市で一番進んだ設備で、近くの多くの学校の先生方も見に来られています。」という意味のことを話され、とても誇らしく思いました。
 四十年の時を隔て、今の北新庄小学校の校舎の思い出も、子ども達の記憶の中に残っていくことでしょう。